『セフレから恋人に昇格はある？』セフレ以上、恋人未満。 流川莉央

流川莉央が織りなす「セフレから恋人に昇格はある？」は、汗ばむ肌の接触や唾液が絡む濃密なキス、ベッドシーツに広がる愛液と精液が交錯する展開が官能的に描かれている。肉体の欲望に忠実なセフレ関係から、じわじわと心が近づいていくもどかしい空気感が全編を通して漂い、ただの性欲の発散にとどまらず、二人の内面の変化や距離感、熱い吐息に満ちた臨場感が存分に堪能できる一作だ。

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本作は「セフレ以上、恋人未満」という曖昧な関係が主題。単なる一夜限りの情事ではなく、時には昼間にカフェで談笑したり、映画を観たりと、セックス抜きのふたりきりの時間も描写されている。出会いの瞬間から既に身体を重ねることが前提の関係だが、次第に互いの素顔や優しさに惹かれていく様子がリアル。ベッド以外の場所でも自然に手をつなぎ汗ばむ掌を寄せ合う…恋人未満の緊張感と甘やかな空気が絡み合う。

前戯はとにかく濃密。見つめ合いながら唇を重ね、舌が絡む音が生々しい。莉央の吐息混じりの「んっ…」という甘い声、首筋や太ももに伝う汗、指先で感じる体温…指が愛液で濡れ、手マンの指使いひとつでベッドのシーツに体液が染みる。乳首への丁寧な愛撫や、長くねっとりと続く愛情を感じさせるキスが、エロスと切なさを同時に高めてくれる。

セックスシーンは、体位やリズムの変化によって二人の距離感がドラマティックに変化していくのが見どころ。激しく衝き上げる音と共に弾む汗、ラストでは莉央の甘い喘ぎとともにたっぷりと中に精液が流し込まれる。抽挿のたびに愛液で結ばれていく感覚がリアルで、肉体の快楽に溺れながらも、次の瞬間には恋人への想いが零れる――濃厚な肉体の交わりの中に、確かな心の変化がにじむエロティックな展開が圧巻だ。